これまで「更年期障害」は女性特有のものと考えられてきましたが、数年前から男性でも
更年期障害が起こる事が判り、注目されるようになりました。

「頭が重い」、「肩こりがひどい」、「会社に出勤する事がおっくうだ」、「手足がしびれる」など
これまでは「怠けている」と思われていた症状が実は「男性更年期障害」が原因だった
かもしれません。又、今までこれらの症状で病院の診察を受けても「異常なし」と診断
されていた人も、「男性更年期障害」を疑ってみてはいかがでしょうか。

男性更年期障害とは男性ホルモンのテストステロンの低下により起こる精神的症状、
身体的症状、性機能障害のことです。
男性ホルモンの分泌は20〜30才でピークを迎え、それから分泌が低下してくる為、
更年期障害は40代半ば〜50代半ばが最も多くみられます。又、ホルモン量自体も
個人差がが大きいため早い場合では30代、遅い場合では60才頃に更年期症状を
患う事があります。

加齢により男性ホルモン(テストステロン)が低下し起こります。
職場の人間関係、リストラ、高齢者の介護、住宅ローンや教育費などの金銭面など社会的、
心理的なストレスが男性ホルモン低下の原因となっています。

◎精神的症状
   健康感の減少
   不安
   いらいら
   不眠
   集中力の低下
   記憶力の低下
   抑うつ
   神経過敏

◎身体症状
   筋力低下、筋肉痛
   疲労感
   ほてり、発汗
   頭痛、めまい、耳鳴り
   頻尿
   Moring Erectionの消失

◎性機能障害
   性欲低下
   勃起不全
   持続力低下
   射精不全

男性更年期障害を漢方医学で考えると「腎虚」、「脾虚」、「気虚」、「気うつ」、「気逆」
の症状が当てはまると思います。

「腎虚」の「腎」は東洋医学では単なる腎臓を指しているのではなく泌尿器、生殖器
を指します。「腎」は若さ、活動的な肉体、強い生殖力を持つ「精」を蓄える臓器と
考えられています。
しかし「精」は加齢と共に少しずつ体外に排出されます。精が長期に体外に排出されると、
老化と「腎」の機能低下、すなわち腎虚の症状が現れます。腎虚の症状は精力減退、
下肢の脱力感、視力低下、排尿障害、白髪増加等の老化現象が腎虚の症状として
挙げられます。
個々が持って生まれた精が年々減少して起こる腎虚の症状緩和に用いられる漢方処方は
補腎剤と呼ばれ、補腎剤の代表的な漢方処方は八味地黄丸、午車腎気丸があります。

「脾虚」の「脾」は東洋医学では単なる脾臓を指しているのではなく消化器全般を
指します。
脾は飲食物を消化吸収してエネルギーに変え、「気」と共に体内全体に行き渡らせる
臓器と考えられます。

「気虚」の「気」は目に見える物では無く、空気を体内に入れる事により「天の気」を
飲食物を体内に取り入れる事により「地の気」を取り入れ、「天の気」、「地の気」が
組み合わさる事により出来ると考えられています。

脾虚、気虚は精神的ストレスや体力低下で脾の機能低下、気の機能低下すなわち
消化器機能低下、精神力低下を起こし生命エネルギーと気が身体全体に行き渡り
にくくなり疲労感、脱力感、食欲不振、眠気等の症状が現れます。
脾虚、気虚の症状緩和に用いられる漢方処方は補脾剤、補気剤と呼ばれ、代表的な
処方は補中益気湯、加味帰脾湯、六君子湯があります。

「気うつ」、「気逆」を一言で述べれば「気うつ」は気が体内で停滞し気力、体力共に衰退し、
倦怠感、食欲不振、むねやけ、日中眠い等の無気力感に悩まされます。
「気逆」は「気うつ」の反対で気が上部、つまり頭部に上昇し、のぼせ、不眠、イライラ感、
不安感、動悸等に悩まされます。

気うつの症状によく用いられる漢方処方は厚朴が配合された半夏厚朴湯、平胃散、
各種承気湯類(大承気湯、小承気湯、桃核承気湯など)が用いられます。
気逆の症状によく用いられる漢方処方は桂枝、竜骨、牡蠣が配合された桂枝加竜骨牡蠣湯、
柴胡加竜骨牡蠣湯、加味逍遙散、苓桂朮甘湯、黄連解毒湯などが用いられます。

最後に気虚、脾虚の症状の時に用いられる生薬の柴胡、気うつ症で用いられる生薬の厚朴、
紫蘇葉、気逆症で用いられる生薬の桂枝、竜骨、牡蠣などを総じて理気剤と呼びます。

西洋医学的にも照らし合わせて漢方処方をまとめてみると下記の様になります。

うつ状態・・・柴朴湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、加味帰脾湯、補中益気湯、
          半夏厚朴湯など

循環器系障害・・・黄連解毒湯、桂枝茯苓丸、加味逍遙散、八味地黄丸など
(のぼせ、ほてり)

感覚器系障害・・・苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、半夏厚朴湯など

性機能障害・・・柴胡加竜骨牡蠣湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、補中益気湯、八味地黄丸など
  (勃起不全)

八味地黄丸料
(ハチミジオウガンリョウ)

(第2類医薬品)
虚証から中間証で中年以降、腎、泌尿器、生殖器などの
機能低下のある人。
排尿異常や下半身の脱力感、冷え、しびれ、痛みなどが
ある人。全身倦怠感、口渇、腰痛、夜間頻尿を訴えること
が多いです。

※ただし、生薬の地黄をが多く含まれているため胃腸障害
のある人は服用を避けたほうが無難です。
午車腎気丸料
(ゴシャジンキガンリョウ)

(第2類医薬品)
八味地黄丸料の処方に午膝と車前子を加えた処方で、
八味地黄丸の薬効を増強した処方といえます。

午膝には「血」の改善作用や利尿作用、強精作用などが
あります。
車前子には消炎作用や利尿作用があり、泌尿器系の
処方などに用いられる事が多いです。
補中益気湯
(ホチュウエッキトウ)

(第2類医薬品)
虚証で虚弱体質、慢性疾患、体力が低下し全身倦怠感、
食欲不振、貧血などがある人。
他の症状で頭痛、微熱、咳、盗汗、動悸、不安などを伴う
事もあります。

補中益気湯は漢方処方の主薬の柴胡を含んだ補気剤で
よく出される処方のひとつです。
柴胡加竜骨牡蠣湯
(サイコカリュウコツボレイトウ)

(第2類医薬品)
実証から中間証の人で精神神経症状(精神不安、不眠、
イライラなど)があると共に胸脇苦満が認められる人。
便秘気味で腹力があり、頭痛、頭重、円形脱毛症、
肩こりなどを伴うことがあります。
その他に神経性心悸亢進やヒステリーなどにもよく
用いられる処方です。
桂枝加竜骨牡蠣湯
(ケイシカリュウコツボレイトウ)

(第2類医薬品)
柴胡加竜骨牡蠣湯を服用する人とは正反対の痩せ型の
体格、虚弱体質の人で不眠、精神疲労、精神不安、
神経過敏で興奮しやすい、早漏、精力減退、性欲減退
等の症状を伴う人に処方します。
柴朴湯
(サイボクトウ)
(小柴胡湯と半夏厚朴湯の
合方です)

(第2類医薬品)
中間証の人で、胸脇苦満、心窩部膨満感があり、精神
不安や抑うつ等の症状のある人。
咳や咽喉の異物感、食欲不振、だるさ、動悸、めまいを
伴う事があります。
半夏厚朴湯
(ハンゲコウボクトウ)

(第2類医薬品)
中間証から虚証の人で胃内停水、腹部膨満感があり、
胃腸が弱く、顔色の悪い神経質な人。咽喉が塞がったり
つかえている感じのある人が多いです。
気のうっ滞によく出す処方で厚朴、紫蘇葉が配合されて
いるため気うつを散じ、生姜、半夏、茯苓が配合されている
事により胃腸の機能をさかんにし、停水を去ります。
抑肝散
(ヨッカンサン)

(第2類医薬品)
中間証で主に神経興奮状態の人。怒りやすく、イライラ
したり、不眠のある場合によく使われます。
抑肝散には釣藤鉤が配合されているため鎮静、鎮痙の
作用があり、それを柴胡と甘草が一緒になる事により、
肝気の緊張を去り、神経興奮を鎮めます。
又、当帰、川キュウが貧血を治し、血流を良くします。
抑肝散加陳皮半夏
(ヨッカンサンカチンピハンゲ)
(抑肝散に陳皮、半夏を加えた
処方)

(第2類医薬品)
抑肝散の証よりも虚証の人で、体力が低下し慢性化
した人。抑肝散が小児によく使われるのに対し、この
処方は中年以降の成人に使われる事が多いです。
神経症状(心悸亢進、胸騒ぎ、恐怖、頭痛、のぼせ、
めまい、肩こり、不眠、全身倦怠など)を伴う人によく
処方されます。
加味逍遙散
(カミショウヨウサン)
(第2類医薬品)
虚証から中間証の人で、疲れやすく、精神神経症状
(肩こり、頭痛、めまい、不眠、不安)などを訴える人、
女性の更年期障害によく使われる処方です。
小柴胡湯の証に似ていますが、それより虚証で胸脇苦満
の症状は軽く、上記の不定秋訴を訴える人に用います。
桂枝茯苓丸料
(ケイシブクリョウガンリョウ)

(第2類医薬品)
中間証から実証の人で、オ血に伴う頭痛、肩こり、めまい、
のぼせ、冷えなどによく使われます。

この処方には牡丹皮、桃仁が配合されているため、
血液の停滞を散じ、血滞を解きます。芍薬には筋肉の
緊張を緩和し、鎮痛効果があります。また茯苓が配合
されているため利尿、強心の効もあります。
黄連解毒湯
(オウレンゲドクトウ)

(第2類医薬品)
中間証から実証でこの処方が適応する人には赤ら顔の人
が多く、のぼせ、頭痛、精神不安、イライラ、心悸亢進など
の症状があり、鼻血、下血、その他の出血を伴う事が
あります。

更年期障害や高血圧の場合は、心下部が痞えて抵抗、
圧痛を伴う事が多いです。
加味帰脾湯
(カミキヒトウ)

(第2類医薬品)
虚証で顔色が悪く、貧血気味で精神不安、心悸亢進、
不眠、健忘など精神神経症状のある人。出血傾向があり、
食欲不振、全身倦怠感を伴う事もあります。

この処方は補中益気湯や十全大補湯など他の補剤が
胸に痞えて飲みにくい人に用います。
苓桂朮甘湯
(リョウケイジュツカントウ)

(第2類医薬品)
虚証から中間証の人でめまい、ふらつき、立ちくらみ、
動悸等があり、息切れ、頭痛、のぼせ、尿量減少等を
伴う人に用いられます。

腹壁は軟弱で心窩部振水音を確認できますが、腹力が
あり、へそ周辺に拍動亢進を確認する事も多いです。
半夏白朮天麻湯
(ハンゲビャクジュツテンマトウ)

(第2類医薬品)
虚証から中間証の人で胃腸虚弱、冷え症、軽い頭痛、
頭重感、めまい等の症状がある人。
他に食欲不振、全身倦怠感を伴う事もあり、腹壁部は
軟弱で腹水音を認める事が多いです。

この処方は脾胃を補い、胃内停水を理水作用により導く
処方です。
◎以上がよく使われる漢方処方で  煎じ薬1日分 約270円〜570円です。
                       粉末1日分 約225円〜390円です。
枸杞葉
(第3類医薬品)

枸杞実
(第3類医薬品)
枸杞葉にはフラボノイドのルチンやβーシトステロール
グルコサイド、ビタミンB1、B2、Cが豊富に含まれて
います。

枸杞実(生薬名 枸杞子)にはベタインやゼアキサン
チン等が豊富に含まれているため、利尿、強壮、
高血圧予防に良いです。

枸杞葉1日量約10gを煎じてお茶代わりに常用します。
枸杞実は1日量約10g〜15gを食べるか、煎じてお茶
代わりに常用します。

薬用酒は枸杞実200gをホワイトリカー1.8リットル
(好みで氷砂糖200g)を入れて、2ヶ月以上保管し、
杯1杯を服用します。
枸杞葉 
(500g 1,000円+税)

枸杞実
(500g 3,000円+税)

枸杞葉(粉末)
1箱 500円+税

枸杞実(粉末)
1箱 800円+税
イカリ草
(第2類医薬品)
イカリ草(生薬名 淫羊カク)の茎葉にはイカリンや
マクソロフリンなど成分が含まれており強精、補精、
陰萎、健忘症、神経衰弱に効果があります。
(ただし、心臓の弱い人や胃弱の人には効果が強すぎ
るので注意が必要です。)

1日量約10g〜20gを煎じてお茶代わりに常用します。

薬用酒はイカリ草200gをホワイトリカー1.8リットル
(好みで氷砂糖200g)を入れて、2ヶ月以上保管し、
杯1杯を服用します。
イカリ草
500g 2,000円+税

イカリ草(粉末)
500g 2,000円+税
朝鮮人参
(第3類医薬品)
(紅参)
(第3類医薬品)
(白参)
(第3類医薬品)
(髭人参)

(第3類医薬品)
サポニンとしてジンセノサイドなどが含まれ、食欲不振、
消化不良、下痢、嘔吐、冷え症などに効果があります。

1日量約5gを煎じて飲みます。

薬用酒は生人参1本又は髭人参100gをホワイトリカー
1.8g(好みで氷砂糖200g)を入れ、2ヶ月以上漬け
込んで杯1杯を服用すると良いでしょう。
(肥満型の実証の人に朝鮮人参が合わない場合が
ありますので注意が必要です。)
紅参(根皮)
 500g 25,000円+税
紅参(粉末)
500g 20,000円+税 

白参(根皮)
 500g 25,000円+税
白参(粉末)
 500g 25,000円+税 

髭人参 25,000円+税
(生)朝鮮人参1本 6,000円+税
大棗
(ナツメ)
(第3類医薬品)
ナツメ(生薬名 大棗)の果実にはトリテルペノイド
のオレノール酸、ベツリン酸サポニンなどを含み
滋養強壮、鎮静、抗ストレス作用、利尿作用等が
あります。
大棗1日量約5gを水600cc〜800ccに入れ弱火で
20分程煎じ服用します。

薬用酒は大棗300gと氷砂糖約150gをホワイトリカー
1.8リットルに入れ、2ヶ月以上漬け込んで服用する
と良いです。

大棗は漢方処方に配合されている事が多いです。
大棗(果実)
500g 1,500円+税
紫蘇葉
(シソヨウ)

(第3類医薬品)
紫蘇葉は紫蘇の葉を乾燥させた物で葉には精油
成分を含みます。紫蘇葉には鎮痛、沈静効果があり、
気うつ症やストレスの改善になります。

1日量 5〜10gを水600cc〜800ccに入れ
弱火で20分程煎じ1日3回服用します。
紫蘇葉(葉)
500g 2,000円+税

紫蘇葉(粉末)
500g 2,000円+税
午黄
(ゴオウ)

(第3類医薬品)
牛の胆石で胆石症を患った牛の胆のうから少量だけ
取れる貴重な物です。午黄の効能は心臓運動を増強
する作用や冠動脈に対して収縮作用、解熱、鎮静、
鎮痙、解毒作用等があると言われます。

服用方法は1日1回〜2回、添付の耳掻き状のさじ1杯
として服用します。
午黄 1箱(3.75g)
25,000円+税
↓↓
20,000円+税
五八霜
(ゴハチソウ)
反鼻
(ハンビ)

(第3類医薬品)
五八霜はマムシの皮を剥いで、内臓を取り出して棒状
にしたものを反鼻或いは五八霜と言います。

五八霜には強壮、解毒、排膿の効能があり、健忘症や
うつ病などには反鼻が配合された反鼻交感丹と言う
漢方処方があります。
又、民間療法では疲労回復や冷え症に用いられます。

服用方法は1日1回〜2回五八霜の乾燥品は粉末に
して1回1グラムを服用します。
五八霜(乾燥品)
10g 1,500円+税

五八霜(粉末)
100g 15,000円+税
上記の薬草の価格は500gにて表示しておりますが、少量販売もしておりますので、ご希望の
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